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のうりん 6 (GA文庫)
2013年4月26日 ラノベHEY! ニッポンの皆さん初めましてだナ!?
ナタリー、テキサスからコウサクを嫁にもらいに来ましタ!
連れて帰って一緒にコメづくりするナ!?
……ナにナに? アメリカじゃ、美味いコメつくれナいって? ノー!! それ違うナ!?
日本じゃナくても日本人に合っタ作物はつくれるし、規模も技術も比較にナらナい!
そしてナにより……ナタリーが一番かわいいナ!? だからコウサク、Will you marry me!?
最後の寮生来襲!
グローカルな規模で超展開する愛と有機の農業高校ストーリー、全世界激震の第六弾!
――日本よ、これが農業だ。
この巻のTPPネタが凄かった
GA文庫の『のうりん』は農業高校を舞台とした社会派ラノベです。
パロディ主体の作品ですが、農業を取り巻く様々な問題が題材に取り上げられています。
6巻はTPPの話題が取り上げられていました。
TVで放映している、政治家を招いた討論会という形式で、TPP推進派の国会議員と反対派の国会議員がこんな言い合いをします。
反対派議員「あんたこそ経■連から幾ら貰ってるんだ!?」
推進派議員「あんただって農協が集めてくる農家の票が目当てなんだろう!?」
政治の本質を見事に表現してますね。政治家は、自分に票や金を与えてくれる人の利益の代弁者である、と言う意味において。誰だって、自分に利益のある政策を実行する政治家に投票しますからね。有名人だからとか、言っている事がカッコイイとか、そう言う理由で自分に不利益な政策を実行する政治家に投票する馬鹿な有権者は普通は居ないからね。
『のうりん』で扱われている題材は俺みたいな30代のおっさんなら知ってるような社会問題が7割以上なので物足りないのですが、中高生が読んで社会問題に興味を持つ契機になるとしたら、良い小説なんだと思います。
むしろ、パロディの元ネタが30代のおっさんじゃないと解らないような作品ばかりなのが、釣り合いが取れて無くて気になるのですがね。
TPP問題を扱った部分も、後半は劇場版『機動警察パトレイバー2』の後藤隊長の台詞のパロディになっていて格好良かった。
ただ、TPPの問題が農業って切り口でしか語られていないのが残念だったかな。中国・北朝鮮に対する安全保障としてアメリカの機嫌を取る目的があるとか、アメリカはTPPで米国内に雇用を創設するって言っているから裏を返せばTPP参加の他の国はアメリカで雇用が増える分内需を削られて失業者が増えるとか、そう言う部分も論じあれば良かったのに。
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